逆に、人と接することが好きで好きでたまらない、という人間もいる。社内で「ホスピタリティの塊」と異名をとる原は、現在は難波のMUJIcomに勤務している。
「レジって毎回いろいろなお客様が来られて、いろいろなモノを買われますよね。毎回違って、同じことは起きないのが当たり前。そんななかで精一杯サービスして、自分なりのプラスアルファを工夫する…。その積み重ねで、お客様が私のレジを選んでくださるとうれしくて。京阪ザ・ストアにレジがしたくて入社したのは私くらいじゃないですか(笑)」
そんな原も、フレスト松井山手店のレジを統括するポジションに来たばかりの頃は、試行錯誤の連続だった。最高50人の大所帯であるレジチーム。そこへ入社2年目の新人がリーダーとして配属されてくる。ベテランのパートさんたちと信頼関係を築くまでが大変だった。
「レジにどんどん入ってお客様に対応しているところを見てもらったんです。口だけでなく行動で語るようにしたら、だんだん認めてもらえて信頼してもらえるように。最近は、自分が教えて育てた人が褒めてもらえると、自分が褒められるよりうれしいんです」
お客様満足度を高めるというゴールに向かって、現場スタッフは知恵を絞り、それぞれのやり方でアプローチする。得意不得意は人それぞれだが、現場で問題に直面したときにどう対応していくか、そのなかで本人も驚くような成長が生まれる。自分でつかんだ答えは、与えられた知識にはない重みと、どんな場面にも応用がきき、決して折れないしなやかさを持っている。