「鉄道グループの一員として、沿線の価値を上げていきたい。そのためにオリジナルのサービスをしたいという気持ちを強く持っています」と達川。
「たとえばアンスリー事業の立ち上げはチャレンジングな試みでした。大手のコンビニチェーンとは違って、マニュアルは一切なかった。その代わり『いかにして喜んでいただくか』をオリジナルで作り上げました。結果、我々らしさのある独自のサービスを育てることができた。それは私たちの強みです。
誰にでもできることをやっていたら、『京阪でなくてもいい』いうことになってしまう。自分たちだからできるオンリーワンを、ゼロから生み出すんだという気概でやってきました」
それが、「駅ナカ・ユニクロ」であったり「MUJIcom」といった新しい業務形態へのチャレンジにつながり、お客様に喜ばれるという結果を生み出した。
有名なTVカーや、ラッシュ時だけ5枚扉になる車両は、京阪電車独自のもの。通常は1車両に扉3枚が普通だが、5枚扉車両ではラッシュ時だけ座席部分が天井まで上がって扉が2つ追加される。
「奇をてらったアイデアのように思われるかもしれませんが、お客様に少しでも便利で快適に、というDNAが昔からあるんです。そして、それを実現してしまう技術力もすごい」と達川は語る。
誰かのマネや二番手、三番手では良しとしない。お客様の「あったらいいね」を見つけ出し、「あって良かった」をつくり出す。それも利用客の「快適、便利」を追求し続けてきた、電鉄から受け継いだDNAなのかもしれない。
*役職は取材時のものです。